アメトークから学ぶ「好きを口にすること」
アメトーークは面白い。
去年からは日曜のゴールデンタイムにも進出し、週2放送される番組になった。
なにかのインタビューで、どこかのプロデューサーが話していた。
「アメトーークは、好きなことを楽しそうに話している姿に惹かれて見てしまうんです」
視聴者にとっては、まったく興味のない分野かもしれない。けれど、出演者が好きなことについて、目を輝かせながら話している。人は、興味のないことでも引き込まれてしまうのではないだろうか。
きっと、すでにそういう経験をしているはずだ。
私はプロレスにまったく興味がなかったし、格闘系はむしろ苦手だった。
けれど、豆腐プロレスを通して珠理奈がプロレスにハマり、「これだけ楽しそうに話してるし、基礎知識がつけば握手会で会話のネタになるかな」という思いから、AbemaTVで恐る恐るプロレスを見ていた。
見ればなかなか面白く、今ではけっこう気にするようになった。こういう時、好きになりやすい体質は得だ。
自分は興味ないけど、推しが好きだからという理由で何かを始めた人は多いと思う。
つまりそういうことだ。自分の好きな人が楽しそうに話していたら、そのコンテンツ自体に興味がいく。好きな人が聴いている音楽を必死になって聴いた時代が誰にでもあるはずだ。
「自分の好きなことなんかに相手は興味ない」「自分の趣味ばかり話すのはよくない」そう思っている人が多いように感じる。
でも、人は案外他人の“好き”に興味がある。だから恋バナが盛り上がる。ためらわずにもう振り切って“好き”について話すべきだ。
ただ、話す内容についてはしっかり躊躇ったほうがいい。
何を話すか
「何かが好きすぎる人」に、その「何か」の話をさせるとつまらないんだけど、その「何か」のどこが好きなの?と聞くと、めちゃめちゃ面白いぞ。だから本気のオタクは大好きだ。そして自分が好きなものについて聞かれたら、なるべく「どこが好きか」から語る。基礎とか予備知識とかいらん。
— 中野 (@pisiinu) 2017年6月27日
相手に「趣味は?」「休日は何してる?」など聞かれた時に、「やべーよ、休日握手会しか行ってねーよ…」と打ちひしがれてしまう人もいるかもしれないが、素直に堂々と話していいと思う。というか、話した方がいい。
あとは相手の質問に+αしながら答えればいい。
注意したいのは、相手は自分に興味があって質問しているのであって、アイドル自体にはさほど興味がないということ。
大体は社交辞令で聞いただけかもしれないし、アイドルが好きだから聞いたわけではない。
なので、下手しても推しのいいところを自ら語りだしたりしてはいけない。ゆなながどんなに可愛くても次世代を担うエース的存在であろうとも、一般人はそんなことは知らないしぶっちゃけどうでもいいと思っている。
自分のことを交えて話す
「趣味は?」と聞かれたら、「アイドル好きなんですよ」と答えている。
そうすると大体、「握手会とかよく行くんですか?」と聞かれる。聞かれなくても、「だから休日とかほとんど握手会で、お金もそっちにとられちゃいます」とか言って少し強引にでも握手会の話をしている。
人はなぜか、趣味に大量のお金を注いでいる人に興味が沸くのか、こう話せばどんどん質問される。時間やお金のやりくりについて聞いているうちに、相手には絶対にある疑問が浮かぶ。
「なぜこの人はそこまでしてアイドルに懸けているのだろうか」
この疑問を持ってしまえば、聞かざるを得ない。「握手会って、そんなに楽しいんですか?」「そのアイドルってそんなにいいんですか?」「その子のどこが好きなんですか?」
もう勝ちだ。相手から聞かれたのだから答えればいい。アメトーークのスタジオだと思って、目の前の宮迫に存分に語ればいい。上のツイートのように、“どこが好きか”をとにかく話せばいい。
ただ、気をつけたいのは、ゆななではなく小畑優奈、りょうはたんではなく北川綾巴だ。慣れ親しんだ言葉を使ってしまい、相手を置き去りにする失態だけはやめよう。
アメトーークが面白いのは、出演者が視聴者にわかりやすく魅力を説明しているからだと思う。好き同士の内輪だけで盛り上がるのではなく、そのものの歴史について、自分はそのもののどこが好きなのか、なぜ好きになったのか、今それはどう進化してきているのか。
そういったことについて、知らない人にもわかりやすく説明しているからこそ、置き去りにされずに長時間見ることができるのだと思う。
推しがテレビに出た時、雑誌の表紙を飾った時、「そういえばあの人が好きって言ってたな。ちょっと見てみるか」と相手が思ってくれたら、大成功なのではないだろうか。
ちょっと話が逸れたけど、思っている以上に人は他人の“好き”に興味があるよって話でした。
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